今回は「赤ちゃんがすぐ眠る朗読シリーズ」の第二弾として、グリム童話の名作「シンデレラ」の読み聞かせを作りました。
キラキラした美しいシンデレラの世界観が優しく赤ちゃんを包み込みます。
ゆったりとした語り口調とオルゴールの音楽が寝かしつけ効果に最適です。ぜひ聞いてください。
子育てママにとって赤ちゃんのお世話と家事の両立は本当に大変ですよね?
私も経験してみてわかったのですが、実際に子育てママは大変すぎます!
今回はなかなか寝ない赤ちゃんのために寝かしつけ専用の音声動画をつくりました。「眠くなる朗読シリーズ」を是非お子さんに聴かせてください!
(※この「眠くなる朗読シリーズ」は大人の方にも睡眠誘導BGMとして活用していただけます。ばぶっくのすべての読み聞かせは無料です。)
シンデレラ:眠くなる動画・音声
若宮いろはの眠くなる朗読シリーズをYouTubeにアップしました。愛情たっぷりの朗読音声を、是非あなたも聞いてくださいw
シンデレラ:物語・文章 <ストーリー>
第一幕
むかし、むかし、大変美しくて心の優しい少女がおりました。少女は家族と仲良く暮らしていましたが、母親が病気になってしまい、早くに亡くなってしまいました。
それから少女は、毎日お母さんのお墓の前で泣いてばかりいました。
ある日、お父さんが再婚して、家に新しいお母さんがやって来ました。
新しいお母さんは、二人のお姉さんを連れてきました。お姉さんは、顔だけは白くてきれいでしたが、心の中はひねくれていてまっ黒でした。
それからというもの、少女は毎日、新しいお母さんたちにつらい仕事をさせられました。
朝は、日の出る前に起きて水を運び、火を燃やし、食事の準備をして、洗濯をしました。
そんな辛い仕事があるうえに、姉さんたちは、つぎからつぎへと、いろんなことを考えて、少女をいじめたり、ののしったりするのです。
そして、わざと豆つぶを灰の中にぶちまけては、少女に拾わせました。お姉さんたちは灰まみれの少女をからかって、シンデレラと呼ぶようになりました。
あるとき、お父さんが街へでかけることになりました。
お父さんは娘たちに、
「お土産には何が欲しいかね。」
と、たずねました。
「きれいなドレスよ。」
と、ひとりがいいました。
「私は真珠と宝石。」
と、もうひとりがいいました。
シンデレラは、
「お父さんが帰ってくるときに、お父さんの帽子に最初にさわった木の小枝を、折ってき
てください。」
と言いました。
そうしてお父さんは、ふたりの娘のおみやげに、きれいなドレスと、真珠と宝石を買いました。それからシンデレラのために、帰る途中で、帽子にぶつかった木の枝を折って持ち帰りました。
家に着くとお父さんは、ふたりの娘に欲しがっていたものをあげました。シンデレラには小枝をあげました。シンデレラはお父さんにお礼をいって、お母さんのお墓のところへいき、その小枝を植えました。
そして、また泣きじゃくったので、その小枝に涙がふりかかりました。すると小枝はずんずん大きくなって、美しい木になりました。シンデレラは、毎日三度、その木の下へ行っては泣きながら、お祈りしました。
するとそのたびに、一羽の白い小鳥がその木に飛んできては、シンデレラがほしいものを、なんでも落としてくれました。
第二幕
ある日、この国の王さまが大きな舞踏会をもよおすことになりました。
その舞踏会には、国じゅうの美しい娘たちが、ひとり残らず招かれました。その娘たちの中から、王子の花嫁を探しだそうというのです。
シンデレラの家のお姉さんたちは、自分たちもその舞踏会に出られるときいて大喜びしました。
それで、シンデレラをよびつけて、
「さあ、私たちの髪をすいておくれ。くつも磨いておくれ。私たちは、王さまの舞踏会によばれて、お城へ行くんだからね。」
シンデレラは、お姉さんたちのいうとおりにしてやりました。けれども一人で泣きました。むりもありません、シンデレラだって、一緒に行って、おどりたかったのですもの!
それで、ママ母に、
「私も行かせてください。」
と、お願いしてみました。
ところが、ママ母は、
「お前はだめだよ。お前なんかをいっしょに連れていけるものですか。だって、ドレスも
なけりゃ、踊りもできないじゃないか。お前を連れていけば、私たちが恥をかくにきまっているよ。」
こう言うと、ママ母は二人の娘を連れて、さっさとお城へいってしまいました。
家にだれもいなくなると、シンデレラはお母さんのお墓の木の下へ行って泣きました。
すると、いつもの鳥が、金と銀の糸で織ったドレスを落としてくれました。シンデレラは、いそいでそのドレスに着替えて、舞踏会へでかけました。
お姉さんたちも、ママ母も、シンデレラには気づきませんでした。たぶん、どこかよその国のお姫さまだろうと思っていました。金のドレスを着たシンデレラはそれほど美しく見えたのです。
シンデレラの姿を見た王子は、すぐにシンデレラに声をかけて、一緒におどりはじめました。そして王子は、他の女性とは誰とも踊ろうとしませんでした。
おどっているうちに、あっという間に日が暮れました。
シンデレラが家に帰ろうとすると王子は、
「ぼくがいっしょに送っていってあげよう。」
と、いいました。
実は王子は、この美しい娘がどこのむすめなのか、知りたかったのです。ところが、シンデレラがあまりにすばやく帰ってしまったので、姿を見失い、送っていくことができませんでした。
王子は道端に落ちていたガラスの靴を拾い上げ、その靴を手がかりにシンデレラを探しはじめました。
第三幕
ある朝、王子はシンデレラの父親のところへ行きました。そして、
「このガラスのくつがぴったり足にあう娘を、ぼくは妻にしたいのだ。」
と、いいました。それを聞いて、ふたりのお姉さんは喜びました。だって、ふたりともきれいな足をしていましたから。
まず、ねえさんのほうが、そのくつをはいて試しました。
ところが、足の指が大きすぎるために、どうしてもはいりません。
王子は、
「この娘は違うから、もうひとりの娘にくつをはかせてみなさい。」
と、いいました。
そこで今度は、妹がくつをはいてみました。うまいぐあいに、足の指はくつの中にはいりましたが、かかとが大きすぎます。
「この娘も違う。もうほかに娘はいないのかね。」
と、王子はいいました。
「ございません。」
と、父親が言いました。
「もっとも、亡くなりました家内が残していった娘がひとりおりますが、とても王子様の花よめになれるような娘ではございません。」
と言いました。
ですが王子は、
「その娘をここへつれてきなさい。」
と、いいました。
あわてたママ母は、
「まあ、とんでもないことでございます。とてもきたなすぎて、こちらへつれてこれるような娘ではございません。」
と言いました。
けれども、王子がどうしても見たいというので、とうとうシンデレラが呼び出されることになりました。
シンデレラは、両手と顔をきれいに洗いました。それから、王子の前に出て行って、おじぎをしました。
王子はシンデレラにガラスのくつをわたしました。シンデレラが靴をはいてみると、靴はシンデレラの足にぴったりとあっているではありませんか!
そして、シンデレラは立ちあがりました。
王子がシンデレラの顔を見ると、まさに自分と一緒におどった、あの美しい娘ではありませんか。
それで、王子は大きな声をだして、
「この娘が私の本当の花嫁だ。」
と、言いました。
ママ母とふたりのお姉さんは、とても驚きました。そして、悔しさのあまり、顔がまっさおになりました。
けれども王子は、そんなことにはおかまいなく、シンデレラを馬にのせて、一緒にお城に連れ帰りました。
それからシンデレラは王子と結婚して、いつまでも幸せに暮らしました。
おしまい。