今回は個性豊かなキャラクターが映えるねずみの嫁入り読み聞かせ音声(無料)をお届けします。
このお話では規則性のある会話のキャッチボールが続くため、子供の言葉覚えの助けにもなると思います。
ねずみの嫁入りの活字文章も活用してくださいね。
子育てママにとって赤ちゃんのお世話と家事の両立は本当に大変ですよね?
私も経験してみてわかったのですが、実際に子育てママは大変すぎます!
そんなママさん方の子育てを少しでもお手伝いしたい!と思い、読み聞かせ動画音声を作り始めました。
読み聞かせ音声は、聞くだけで赤ちゃん・幼児の創造力や言語力が向上するなど、知育効果も期待できます。
すべての読み聞かせ音声が無料なので、是非活用してください。
ねずみの嫁入り:読み聞かせ動画・音声
若宮いろはが心を込めて朗読しました。我が子の成長を願う愛情たっぷりの読み聞かせ音声を、是非あなたの子育てにもご利用くださいw
物語 <ストーリー>
第一幕
むかし、むかし、ある家のお倉の中に、お金持ちのねずみが住んでおりました。
ねずみはお米を持って、麦を持って、粟を持って、豆を持って、たいそうゆたかに暮らしていました。
子供がいないので神さまにお願いすると、やっと女の子が生まれました。その子はずんずん大きくなって輝くほど美しくなって、日本一のいい娘になりました。
こうなると、もうねずみの仲間には、とても娘のお婿さんにするような者はいませんでした。ねずみのおとうさんとおかあさんは、
「うちの娘は日本一の娘なのだから、何でも日本一のお婿さんをもらわなければならない。」
と言いました。
そこでこの世の中でだれがいちばんえらいかというと、それは高い高い空の上から世界中をあかるく照らしておいでになるお日さまの外にはありませんでした。
そこでおとうさんはおかあさんと娘を連れて、天へ上っていきました。そしてお日さまに、
「お日さま、お日さま、あなたは世の中でいちばんえらいお方です。どうぞわたくしの娘をお嫁にもらって下さいまし。」
といって、ていねいにおじぎをしました。するとお日さまはにこにこなさりながら、
「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」
とおっしゃいました。おとうさんはびっくりしました。
「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたでございますか。」
「それは雲さ。わたしがいくら空でかんかん照っていようと思っても、雲が出てくるともうだめになるのだからね。」
「なるほど。」
おとうさんはそこで、こんどは雲の所へ出かけました。
「雲さん、雲さん、あなたは世の中でいちばんえらいお方です。どうぞわたくしの娘をお嫁にもらって下さいまし。」
「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」
おとうさんはびっくりしました。
「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたでございますか。」
「それは風さ。風に吹きとばされてはわたしもかなわないよ。」
「なるほど。」
おとうさんはそこで、こんどは風の所へ出かけていきました。
「風さん、風さん、あなたは世の中でいちばんえらいお方です。どうぞわたくしの娘をお嫁にもらって下さいまし。」
「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」
おとうさんはびっくりしました。
「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたでございますか。」
「それは、壁さ。壁ばかりはわたしの力でもとても、吹きとばすことはできないからね。」
「なるほど。」
おとうさんはそこでまた、のこのこ壁の所へ出かけていきました。
「壁さん、壁さん、あなたは世の中でいちばんえらいお方です。どうぞうちの娘をお嫁にもらって下さいまし。」
「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」
おとうさんはびっくりしました。
「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたでございますか。」
「それはだれでもない、そういうねずみさんさ。わたしがいくらまっ四角な顔をして、固くなって、がんばっていても、ねずみさんはへいきでわたしの体を食い破って、穴をあけて通り抜けていくじゃないか。だからわたしはどうしてもねずみさんにはかなわないよ。」
「なるほど。」
とねずみのおとうさんは、こんどこそほんとうにしんから感心したように、ぽんと手を打って、
「これは今まで気がつかなかった。じゃあわたしどもが世の中でいちばんえらいのですね。ありがたい。ありがたい。」
とにこにこしながら、いばって帰っていきました。
そして帰るとさっそく、お隣のちゅう助ねずみを娘のお婿さんにしました。若いお婿さんとお嫁さんは、仲よく暮らして、おとうさんとおかあさんをだいじにしました。
そしてたくさん子供を生んで、お倉のねずみの一家はますます栄えました。
おしまい。